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日々、是レ、気ママニ育児ト育自。

モットーは『何とかなる』。スカパラライブに行ける日は来るのか!?
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『金木犀の人』 episode39
いくら話し合っても、ヤクの気持ちは変わらない。
これ以上は、自分が惨めになるだけだった。


わたし「・・・。わかったよ。。。もう良いよ。」
本当は何も良くなかった。
わたしは別れたくなかった。
でも、どうしようもなかったのだ。


時間は真夜中だった。
夕飯も食べたかどうだか、憶えていない。


ぎゅ~。
お腹が鳴った。


こんな人生最大の修羅場でもお腹は空くんだな。
なんだか、もうどうでもいい気がしてきた。


ヤク 「腹減ったな。なんか食べに行くか・・・?」
わたし「・・・うん、そうだね。。。」


そして、深夜でもやっている某丼チェーン店へ行くことになった。
ヤクのアパートから、車で15分くらいだった。
田んぼや畑を突っ切る道を通っていく。
周りになんにも建物がない道だった。
助手席の窓からふと空を見ると、少し欠けた赤い月が見えた。


もう、わたしがこの助手席から外を眺めることはないんだな。。。
この月が最後の景色なんだな、そう思うと、涙があふれた。



店に着き、ヤクは牛丼、わたしは親子丼を頼んだ。
ヤクは普通にガツガツと食べていたが、わたしは一口か二口で無理だった。
お腹は空いていたけど、食欲はなかった。
わたしが残した分まで、ヤクは完食した。


こんなときくらい、ヤクだってもう少ししおらしくしていれば良いのに。。。
そんな風に思ったくらいだ。


それからまたアパートに帰り、その日はそのまま寝た。


布団に入って目をつぶっても、あの赤い月がまぶたから離れなかった。
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『金木犀の人』 episode38
ヤクはポツリポツリと、話し始めた。


始まりはわたしが京都旅行に行った時のことだった。
例の会社の子、千代野さんと言う子だが、その千代野さんと昼休みにたまたま話したと言う。
もちろん、社内で時々話すことはあったようだが、それは業務のことで
その昼休みに初めてプライベートな話をしたと言う。

外注の彼の話、その彼と最近上手くいってないこと、彼から暴力を受けてること
でも、会社の取引があるから簡単に別れられないでいること、など
恋愛相談を受けたそうだ。


会社に同年代が少ないためか、彼女にとってヤクは相談相手にぴったりだったのかもしれない。


その日の勤務後、わたしも留守で居ないこともあって、ヤクは千代野さんの相談の続きを
聞くために、二人で飲みに行ったそうだ。
その時は、まだ、ヤクにとって彼女は「会社の同僚」でしかなかったと言う。


しかし、翌日、翌々日と昼休みに話すうちに、ヤクはだんだんと彼女を放っておけなくなった。
そして、彼女のほうもヤクに特別な感情を抱くなったようだった。


わたし「・・・・。それで?それでどうするの?」
ヤク 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
わたし「黙っていてもわからないじゃない?」
わたしは半泣きだった。


ヤク 「・・・ごめん。KAZU。・・・別れてほしい・・・!!」


え・・・?


一瞬、何のことだかわからなかった。
「別れてほしい」???


ヤク 「勝手なのはわかっている!!でも、もうこのままKAZUと付き合っていられない。」


それからしばらく記憶がない。
数十分か、数時間か、どのくらい時間が過ぎたのだろうか。
目もまぶたも真っ赤に腫れ、鼻水と涙で顔はぐちゃぐちゃだった。
ヤクを見ると、ヤクも目が真っ赤だった。


どうやら、記憶はないが、その間ずっと別れ話で揉めていたようだ。
わたしがいくら泣いても、ヤクを罵倒しても、ヤクの気持ちは変わらなかった。


テーブルの上に風邪薬のビンが目に入った。
(死んでやる。)
そう思った。
とっさにそのビンを手にとって、ザーッと中の錠剤を取り出し一気に口に入れた。
そのまま台所へ行き、水を飲もうとしたとき。
後から追いかけてきたヤクが、コップを奪い、わたしの背中を叩き、その弾みで
口に含んでいた錠剤を吐き出してしまった。


ヤク 「KAZU・・・。ゴメンな。」
哀れみの目でヤクはわたしを見ていた。


もう、ダメだ。。。もう、終わりだ。。。
そのまま、床に崩れ落ち、わんわんと泣いた。
これまでの人生で一番泣いた時だった。
『金木犀の人』 episode37
それから数日。


わたしは、そのまま放っておこう、そう思っていた。
そうすればそのうち終わるだろう。


だけど。その考えとは裏腹に、やっぱりヤクの行動が気になってしょうがない。
日曜のバイトが不安で堪らなかった。


そしてわたしは結局、ヤクに切り出してしまった。


わたし「ねぇ、ヤク。最近、ちょっと変じゃない・・・?」
ヤク 「え!?なに?なんでそんな事言うんだよ?」 


ヤクは激しく動揺していた。


わたし「この前の夜中の外出とか、携帯トイレに持ち込んだり、最近のヤク、おかしいよ!?
なんなの?何か隠してるんじゃないの?」
ヤク 「・・・・・・・・・・・・・。」


長い沈黙だった。
わたしは心臓がバクバクしてて、吐きそうだった。
それからやっと、ヤクが口を開いた。


ヤク 「KAZU、ごめん!!」


もう、この一言で決まりだった・・・。
『金木犀の人』 episode36
数日後、わたしはその人と待ち合わせて、相談がてら飲みに行った。
その人とは、ヤクの会社の須加さんだ。


店に入り、ビールを注文するとすぐに須加さんが訊いてきた。
須加さん「どうしたの?相談て。珍しいじゃない。」
わたし 「・・・。ヤクのことなんですけど。。。」
須加さん「ヤク君がどうかしたの?」


それから、わたしはヤクの怪しい行動から、夜中の外出、相手が会社の子かもしれないこと、
そういった経緯を話した。
ヤクの携帯で見た、彼女の名前も話した。


須加さん「ふーーーん。。。そっか。」
と言って、ちょっと間を置いてから
須加さん「その子、確かにその名前の子、会社にいるね。ちょっと珍しい名前だし
多分その子だねぇ。」

そう言われて、わたしは意外と冷静だった。
もっとショックかと思っていたけど、わたしの中で「疑惑」はすでに「確信」に変わっていたからだ。


須加さん「でも、あの子、たしか外注さんと付き合ってるはずだけど。」


と言うことはお互い「浮気」と言うことか。


須加さん「放っておけば、そのうち自然消滅するかもよ。」


たしかに。。。
お互い浮気で、一瞬の気の迷いってことだったら、それでも良いかもしれない。
なーーんだ。
と、ちょっと気が楽になったところへ、須加さんが痛いことを言った。


須加さん「でもさー。そんな浮気するような男、こっちから切っちゃえば良いじゃない?」
まさかの一言だった。
須加さん「そんな男に自分の人生をかけるのは、正直もったいないと思うけどな。
ヤク君が悪いヤツだとは言わないけど、でも、浮気する男はまたすると思う。
そのたびに、心を痛めるなんて、もったいなくない?」


しばらく、何も言葉が見つからなかった。


わたしの中にまったくない選択だった。
ヤクと別れる。
今まで考えたこともなかった。
そして、そう言われても、その選択をするつもりにはならなかった。
今なら、須加さんの考えも納得できる。
しかし、フリーターで、ヤクがすべての生活をしていた当時のわたしにとって、
ヤクのいない人生はどうしても考えられなかった。


須加さんも、
「あ、ゴメン、これはあくまでもわたしの考え方だからさ。
KAZUちゃんはKAZUちゃんの考えでいけば良いんだよ。また、いくらでも相談に乗るしね。」
と言って、この時はこれで終わりにした。


 
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